家を建てる頃と、20年後、30年後では、人数構成が変わっていきます。

このプロジェクトは、30年前にご主人が建てたコンクリート造の住宅のリノベーションです。
以前は、広い空間を障子や襖で区切る、顔が見える家でした。
時を経て人数が減り、エアコン効率や掃除のこと、飾りたい写真が増えると、かえって壁でしっかり仕切りたい、というご要望が生まれました。
そこで、今回は大人な雰囲気の、いろんな壁がある家に改装することになりました。
天井高がもともとあったので、まるで吹き抜けのような高い天井と、廊下、和室、玄関は低い天井にしてメリハリのある空間に。
ところどころの壁を表情のある塗り壁や土壁にし、定年間近のご夫婦が落ち着ける空間を目指しました。
窓や外壁はそのまま、水回りの位置もほぼ同じ。
既存の床は、無垢の木フローリングだったのを薄く表面を削っただけ。とても30年使ったとは思えないですね。
大事にされた家が、これからも長く愛されますように。